小松ヶ原 古墳 

伊豆観光

古代の伊豆

   

伊豆の国の古代史を訪ねて

    第1部 流刑地と古墳
    第2部 伊豆の国市の古墳
    第3部 古代の怪事件
    第4部 古墳観光コース





第1部.流刑地と古墳




伊豆は、中世、都から遠い 流刑地として、定められていました。
天武天皇の詔(676)に、遠流、中流、近流が決められ、 その後平安時代に、
伊豆(京を去る770里)が遠流地の 一つに定められました。

小松ヶ原から、ダイヤランドを通り 熱函を下って、 平井を左に曲がると柏谷横穴群が あります。
この横穴は、西暦500年末ごろから、 700年末ごろ まで作られたお墓で、
京都の貴族や僧侶が伊豆に流された年代にあたります。

川に「流す」わけではありませんから、
当然、流した先には、朝廷に帰属する、有力な豪族がいたはずです。

柏谷横穴群は、大化2年(646)に出た 薄葬令 (葬式の簡素化命令)で、
大規模な古墳を簡素にする過程で発展した文化と考えられています。

当時、伊豆に流された京都の貴族には、
   653年 三位麻績(皇族の子)
   686年 蠣杵道作(大津皇子の家臣)
   699年 役小角 (役行者)
がおり、柏谷横穴が墓地として使われた時代に当たります。

関東地方には、横穴の墓地が他にもあり、埼玉県の 吉見百穴が有名ですが、
鎌倉の横穴墓地である、「やぐら」 は、少し目的が違うようです。



第2部.伊豆の国市の古墳





小松ヶ原から無料の富士見パークウエイ を下り、 まっすぐ狩野川を渡るあたりの、
狩野川両岸の丘陵地帯には、古墳 や遺跡が沢山あります。

(1)駒形古墳


伊豆長岡ICから、県道414号線を
修善寺に向かい、大門橋に行く
300mほど手前に駒形神社があり、
その中に伊豆南部で最も古い前方後円墳
と言われる駒形古墳があります。

この古墳では、戦後昭和22年
に文部省に申請して調査が行われ、
進駐軍の将校が
視察に来たり、
天皇陛下の行幸もあるなど、
歴史的価値の高い古墳です。

この古墳からは、埴輪や太刀が出土し、
石櫃があったと言われていますが、
どこに展示されているか、不明です。
古墳時代の後期に作られた古墳とすると、
この時代の伊豆の国に在住した
有力者が葬られており、
その名はいずれかの歴史書に記載されている名前では
ないかというロマンがあります。

(2)平石古墳


駿豆鉄道の田京の駅の北にある
大仁北小学校から 東側の高台に
上がったところに大正5年
道路工事の際発見されたという、
平石古墳があります。

古墳は6基あって、そのうちの
4号墳が整備されて、公開されています。

ここは、住宅地として開発された
立花団地の南側斜面、で
古墳時代の末期(650年)ごろ作られたといわれる、
横穴式石室をもつ直径14mの円墳です。

この古墳は、伊豆田方地方で、
唯一の家形石棺を持つ円墳でもあります。

石室入り口から土器、石棺から刀身 が出土し、
守木の随応寺と国立博物館に
保管されているようです。
作られた年代が、京都の貴族が
伊豆に流された頃ですので、
やはり名前のある有力者
埋葬されているのではというロマンがあります。

(3)宗光寺古墳


宗光寺横穴群として、古くから知られていた古墳で、 明治時代から昭和
至るまで、多くの調査がなされ、火葬された骨の入った 石櫃が発見され、
多くの土器、刀身、玉、管玉などが発見されています。

宗光寺古墳は、初めに書いた函南町の柏谷横穴群、北江間横穴群と共に、
伊豆田方平野に点在する横穴古墳群のひとつです。
ただ保存整備が十分でないようで、現在19基存在する横穴に行くのは
難儀なようです。

(4)北江間横穴群


西暦650年から750年にかけて
作られた古墳で、
薄葬令(西暦646年)以後、
それまで大規模に作られていた、
古墳の規模が小さくなった
時代のものです。
ここには、「大北」「大師山」
二か所に大規模な横穴群があります。

全国でも石櫃に文字の書かれたものは、
珍しいのですが、
ここでは「若舎人」と書かれた
石櫃が見つかっています。

天皇に近侍する方は「大舎人」で、
皇子に近侍する方が
「若舎人」ですから、
京都の宮中で皇子の侍従であった
身分の高い方が、葬られたと思われます。

**ところで、歌舞伎の
「菅原伝授手習鑑」の解説では、
「舎人」は、牛車の御者で、運転手の役だそうです。
どちらが、偉いのでしょうか?

伊豆には、歴史のロマンがあります。
でも、史跡の保存は良くありません。

駐車場は、近くの
江間いちご狩りセンター の方が、
はるかに立派です。

*** ご注意 ***
イチゴ狩りは、12月中旬から、
4月末までですので、
確かめてから、お出かけ下さい

奈良では、山の中の石ころでも、立派に保存していますので、
歴史遺産の保存に力を入れて欲しいものです。
保存、研究、PRが良ければ、立派な 観光資産です。
住んでいる人の、 文化的素養を疑われます。



第3部 空想シンポジウム  *伊豆の怪事件*




伊豆の三大怪事件


第1部でふれましたように、
伊豆の国に、京都の貴族・僧侶が流刑されたころ、
古代史の怪事件がありました。

本日は、その怪事件から、
役小角事件(西暦669年)、
伴大納言事件(西暦866年)、
仁寛事件(西暦1100年)
の三つを選び、著名な空想上の先生方にご登場頂いて、
怪事件の背景などを語って頂く 空想企画を設定致しました。

ご登場頂く空想上の先生方は、 事件ごとにご紹介致します。

まずは、第1の怪事件について、ご説明致します。


伊豆の怪事件 その1



役小角事件(西暦669年)


役小角は、西暦634年ごろ
大和葛城山 のふもとで生まれ、32歳の時、
葛城山に登って、30年間修行し、
鬼神を駆使する術を会得し
、紀伊から摂津にいたる高山を
統治するようになりましたが、
弟子の韓国連比足に
「妖術で人心を惑わした」と訴えられ
逮捕されて、 西暦699年伊豆大島に流されました。


しかし、役小角は、人並み外れた超能力を持っていた
ことから、昼は大島におり、
夜飛行して富士山頂に行って修行し、
その後西暦701年に罪を許されましたが、
京都に帰らず修行を続け、
我が国修験者の最高峰である 役行者様として、
尊敬され信仰を集めている 大先達であります。

この怪事件について、いろいろな説がありますが、
本日は、空想で登場する 3名の空想上の先生方により、
意見交換をして頂くことにしました。
それでは、先生方をご紹介致します。

「ドルリー・ロス先生」

ロス先生はバーナビー・ロス(エラリー・クイーン)
一族の方で、米国でご活躍され、
X−Zの悲劇事件解決で 有名な先生であります。
本日は米国から怪事件について、
お話を伺います。



「ジョセフ・ルレタビーユ先生」
ルレタビーユ先生は、フランスで活躍された
ガストン・ルルウ先生一族の先生で、
世界初めての密室事件の、
「黄色い部屋事件」
で有名な先生であります。
ガストン・ルルウ先生は、ご承知の通り、
「オペラ座の怪人」と、ご懇意でございます。

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本日は欧州から見た怪事件のお話を伺います。

「隅のご老人先生」

隅のご老人先生は、本日は匿名で参加していただきますが、
ミュージカル、スカーレット・ピンパーネルで有名な
ハンガリー男爵家のオルツイ夫人一族の先生で
安楽椅子形探偵の草分けとして、
著名な先生であります。

本日は、世界レベルで精神文化の お話を頂きます。

■ 司会者:初めにロス先生、
役行者様のような超能力者は、 米国にもおられますね。

■ ロス先生:
空飛ぶ人間は、米国では、
スーパーマン、バットマン、スパイダーマン
の御三家が有名です。
だけど、この三人は、 いつも本性を隠して社会で生活し、
事件の時だけ、能力を発揮する、 遠山の金さんみたいな人です。
だから、この役行者さまと違いますね。
(ぜひDVDをお買い求めて、ご覧下さい **amazon** )
魔女狩りのない日本で、妖術を使って大衆を惑わした罪
流刑は変です。

朝廷に反抗したか、権力、利権争いの、 冤罪 と考えるのが、自然です。
ルレタビーユ先生、欧州ではどうですか。


■ ルレタビーユ先生:
現代では、手塚治虫のアトムとか、
ゲームでは空飛ぶ怪人も欧州にいます。
だけど、西暦700年は大昔ですが、魔女狩りか、
トランスシルバニアのドラキュラ伯爵を思い出します。
役行者様とドラキュラ伯爵閣下は、 夜空を飛ぶ共通点 はあります。

だけど、ドラキュラ伯爵閣下は、トルコ戦争の残酷な英雄と、
魔女伝説が合体して生まれた背景があります。
役行者様のように、犯罪者が許された後、世の中の尊敬を集めて、
信仰されたのと違います。
ロス先生の言うように、何か反抗のような、 朝廷に都合の悪いことがあったと思います。
密告した人は、韓国連だそうですが、隅のご老人先生どうですか。


■ 隅のご老人先生:
韓国連は、物部氏一族の日本人で、外国とは関係ありません。
東洋文学には、中国の平妖伝のように、
夜空を飛んで修行 する小説があります。
しかし、伊豆に流されて直ぐに許された後、
大勢の尊敬を集めて信仰の対象となって
祀られるというのは、 ただの犯罪者ではないですね。
日本の精神文化上の偉人ではないでしょうか。
朝廷との争いで罰せられただけで、尊敬されて祀られる のは変だと思います。


■ ロス先生:
キリスト教の宣教者が迫害されて、聖人に祀られるのは、新訳聖書の歴史です。
暗殺された有名な牧師として、歴史的にはキング牧師 がおります。
しかし、罪人が許された後で聖人になった例は少ないと思います。

■ ルレタビーユ先生:
罪人が牢獄から逃げて、成功するのは、
アレキサンドル・デユマのエドモン・ダンテス、
日本名は、黒岩涙香先生の巌窟王(団友太郎)です。
映画のベン・ハーも同じでしょう。
この二人は、冤罪ということは同じですが、
目的は復讐ですから、信仰の対象では ないです。
復讐は、ヤクザ映画のように、胸がすく快感はありますが、
清水の次郎長は、 宗教的英雄ではないですよ。


■ 隅のご老人先生:
スーパー歌舞伎(ヤマトタケル)を書いた梅原先生 は、
法隆寺、出雲大社、北野天満宮、神田明神という、
力のある人が政敵から迫害され、祟りを恐れた民衆から
祀られて信仰の対象となっている例を書いてます。
これは、日本の精神文化ではないでしょうか。

だけど、法隆寺、出雲大社、天満宮、神田明神の神様は、
政敵から見ると、世の中に出てきて祟りをすると困るので、
お祀りするという負の精神があります。

だけど、役行者様の場合は、純粋な超能力信仰ですから
font color="aa0000">ポジテイブで、 本当の日本の精神文化上の英雄ですね。

■ ロス先生:
日本では、生身の人が空を飛ぶのを、信じるのですか。

■ ルレタビーユ先生:
そういう議論ではないでしょうね。
欧州で、生身の人が復活するのを信じるでしょうか という質問と同じですからね。

■ 隅のご老人先生:
そういうことから、日本の精神文化と言っているのですが、
聖徳太子さまも、厩戸の皇子という生身の方が亡くなられた後、
人々がその業績をたどって、聖徳太子さまとしてお祀りしているの
ですから、役小角という方の足跡をたどって、役行者さまとして
お祀りしているのは、日本の優れた精神文化と言っているのですよ。
他の文化の方は理解しなくてもいいのです。


■ ロス先生:
アメリカ人には、分からないということですか。

■ ルレタビーユ先生:
隅の御老人先生の説は、キリストさまだって、当時のパリサイ人
の文化では理解されなかったと、いうことでしょう。

■ 隅のご老人先生:
そういう意味ではないですがね。

ところで、伊豆の国市の葛城山は、役行者さまが、
故郷の葛城山を偲んで、名前をつけたという説が
ありますよ。
どうですか、一度、葛城山に登ってみませんか?
ロープウエイで、景色も最高ですよ

それに、近くに長岡温泉がありますよ。
温泉に入って、山海の珍味で、一献やって、
続きをやりましょう

■ ロス先生
そんないい所ですか。 行きたいですね。
ワトソン先生、如何ですか。


■ ワトソン博士
行きましょう。行きましょう。
御老人先生、案内をお願いしますよ。



■ 隅の老人先生
まかせてください・・・



■ 企画者:
意見交換は続いていますが、残念ながら紙面の関係でこれまでと致します。
詳しくは、活字の本がありますので、この先は、amazon
お訊ね頂き、是非本を読んで研究して頂きたいと思います。
ありがとうございました。

お勧めする書籍(YAHOO・GOOGLE上で、 AMAZONーコピペ をどうぞ)

(役行者様の関係)
amazon 役行者

(ロス先生の関係)
amazon エラリークイーン
amazon 遠山金四郎

(ルレタビーユ先生の関係)
amazon ガストンルルウ
amazon 魔女狩り
amazon モンテクリスト伯
amazon 黒岩涙香 巌窟王
amazon ドラキュラ伯爵
amazon 次郎長三国志

(隅の御老人先生の関係)
amazon オルツイ 隅の老人
amazon 紅はこべ
amazon スカーレットピンパーネル
amazon 平妖伝
amazon 隠された十字架
amazon 聖徳太子
amazon 法隆寺





伊豆の怪事件 その2



伴大納言事件(西暦866年)


伊豆の怪事件その1では、 西暦669年に起きた役小角の事件につきまして
、著名な3名の空想の先生に ご登場頂き、空想シンポジウムを開催致しましたが、
本日は、伊豆の怪事件その2と致しまして、伴大納言事件について、
我が国の著名な空想上の先生方にご参集頂きまして、
ご意見を頂く企画を設定いたしました。

それでは、まず、伴大納言事件について、
ご説明致します。
伴大納言事件は、国宝伴大納言絵巻に書かれている
事件で、西暦866年、応天門の変として
有名な事件であります。

この年の3月10日(旧暦)夜に、平安宮の応天門が
放火により燃え、延焼する事件が発生しました。



応天門を建造し守護する大納言伴善男は、
政敵源信の放火として告発しますが、
政治力ナンバー2の藤原良房が天皇に直訴し、
源信は放免されます。
そして、その後、伴善男が放火の首謀者として
訴えられ、初めは否認していますが、自白により
断罪され、伊豆に流刑になったという事件であります。



本日ごお招き致しました先生を、ご紹介致します。

近藤右門先生:

先生は、佐々木味津三先生のご一族で、
江戸八丁堀同心としてご活躍され、
むっつり右門の名でも有名でございます。
本日は最長老として、ご意見をお伺い致します。



明智小五郎先生:

明智先生は、江戸川乱歩先生のご一族で、
多くの怪事件を担当された有名な先生であります。
本日は、歴史的な点でご意見を頂きます。



金田一耕助先生:

先生は、横溝正史先生のご一族の著名な先生で、
特に難解な怪事件をご担当されたことで、
有名な先生でございます。
本日は、この事件の全容について、ご意見を頂きます。

■ 司会者: それでは、近藤先生、先生方のうち、
最長老のご経験から、 ご意見は如何でしょうか。

■ 近藤右門先生:
私が古いといっても、江戸時代ですから・・・
証拠は自白だけ・・・フム。
・・・これは、冤罪ですな。

■ 司会者:
わかりました。明智先生如何ですが。

■ 明智小五郎先生:
近藤先生の御意見の通りです。
事件で利益を受けたのは、伴善男に告発された源信を救った
藤原良房で、良房は、この事件で実質摂政となり、
昇進してます。
合わせて、政敵の伴一族、紀一族の 排除に成功してます。
良房が、政敵を斬るために利用したと見るのが、 当然でしょう。
金田一先生、どうですか。



■ 金田一耕助先生:
その通りです。
藤原氏は始祖の鎌足が百済の王子と いう説が、
真偽はともかく、巷間にあります。
大伴氏の始祖は神武天皇東征に遡りますが、藤原鎌足が仕えた
天智天皇は38代の天皇陛下です。
この事件の十年ほど前、良房は政敵の橘逸勢を承和の変で
追い落としに、成功してます。
これも、冤罪の疑いを受けてます。
新興貴族が、また、やったかという事件ではないかと
思いますね。

■ 近藤右門先生:
藤原北家・・・。
五代後の道長は、欠けたることの、 なしと思わば、
と言ってますな。
良房の功績大・・・

■ 明智小五郎先生:
鎌足が百済王子とすると、大伴氏が仕えた
継体天皇の出身地の越前は、新羅に近いですな。
百済・新羅の因縁が遠因にあるというのは
金田一先生如何ですか。

■ 金田一耕助先生:
その説を延長すると、九州・長門は百済
越前は新羅ということですか・・・
時の総理と、あちらの大統領閣下とは、因縁
対決と、仰っておられる・・・まさか。

■ 近藤右門先生:
アハハハ・・・
それはない。
新羅は九州の磐井。
新羅も、百済も、高句麗も、唐に併合され
ましたな・・・

■ 明智小五郎先生:
冗談はともかく、その後、天皇家と藤原家と結びつきが
強くなったのは、歴史が示す通りです。
奥州藤原家も含め、日本の姓氏の内、
16藤といわれる藤原筋が、日本に多いのも確かです。
応天門の火災をめぐって、双方が仕掛けたようですが、
良房と伴善男対決の勝負は、ついてますな。

■ 金田一耕助先生:
百済が日本を征服したということではないでしょう。
巷間のにしか過ぎません。
狡猾と言われた伴大納言も観念して、
伊豆に来たのでしょう。
息子の善魚、善足と思われる名前が、
伊豆吉奈善名寺
仏像に書いてあるそうです。
この二人は、伊豆の名家になったとも
考えられます。

■ 近藤右門先生:
善名寺はどこですか・・・

■ 明智小五郎先生:
吉奈温泉の東府やさんと、さか屋さんの間では
ないですか。
ねえ、近藤先生、今度、お参りして、宿で一献
如何ですか。金田一先生もどうですか。

■ 金田一耕助先生:
いいですね。近藤先生、是非お願いします。
是非、是非・・・

■ 近藤右門先生:
・・・・・フムフム

司会者:
何か、楽しい話が続いているようですが、
本日の伊豆怪事件の空想シンポジウム
このあたりで、とりあえず、中締めと致します。
詳細は、amazonで、活字をお求め頂き、
ご研究をお願い致します。


(近藤右門先生の関係)
amazon 佐々木味津三
amazon むっつり右門
amazon 伴大納言
amazon 藤原良房

(明智小五郎先生の関係)
amazon 江戸川乱歩
amazon 承和の変
amazon 応天門の変

(金田一耕助先生の関係)
amazon 横溝正史
amazon 百済王子
amazon 磐井の乱


伊豆の怪事件 その3



仁寛事件(西暦1113年)


伊豆の怪事件その1、2では、3名の著名な先生をお招きして、
役小角事件と伴大納言事件について、ご意見を頂きましたが、
本日は怪事件その3として、仁寛事件について、
空想シンポジウムを開催致します。

まず、伊豆の怪事件その3、仁寛事件について、ご説明致します。

仁寛は、村上源氏の生まれですが、生年は不詳、1113年に
鳥羽天皇暗殺事件(承久の変)に連座して、伊豆に流刑になり、
伊豆長岡の城山から1114年に投身自殺して亡くなった
と伝えられています。

仁寛の兄の勝覚は、真言宗の最大流派である醍醐三宝院流の開祖
であり、仁寛も真言宗の最高位である阿闍梨(あじゃり)の位を
受けている高僧でありました。

仁寛は、伊豆に流された後、蓮念と名前を改めて、
武蔵立川の陰陽師に真言の奥義を伝え、
仁寛から伝えられた真言流派はその後立川流真言として、
真言密教僧の90%が立川流であるといわれるほど、
日本全国を風靡することになりますが、
比叡山の密教僧から厳しい弾圧を受け、
現在は焚書によってその奥義が殆ど失われ、
全貌は弾圧した側の書物でしか明らかでありません。

その後、南朝初代の天皇であった後醍醐天皇が、 立川流真言を継承した
文観上人を重用して、 南朝の復興を企図したが、
果たせなかったという記録もあります。
立川流真言はその後、江戸時代に 徹底的に弾圧されて、
現在は伝わっておりません。

この理由に、村上源氏は南朝側支持であったのに対して、
北朝側の比叡山の天台密教から弾圧されたという、
政治的問題もありますが、仁寛の広めた立川流真言の 教えは、
空海がもたらした 般若波羅密多理趣品という タントラ密教で、
荼枳尼天(だきにてん)を拝する他、
男女のオーガズムが即身成仏の境地という、
仏教の 不邪淫戒の原則に反することが、
弾圧の原点と考えられます。

本日は、3名の空想の先生をお招きして、
この怪事件に ついて、ご意見を伺う企画を立てました。

それでは、本日の3名の空想の先生をご紹介致します。

ブラウン神父:

ブラウン神父は、チェスタトン一族の有名な先生で、
多くの怪事件を手がけた、世界3大名探偵
お一人といわれております。
本日は宗教的の面で、 この怪事件のご意見を頂きます。



ジョン・ワトソン博士:

本日は、シャーロックホームズ先生が急用のため、
ワトソン博士にご参加頂いております。
先生が、 著名なコナンドイル一族としてご活躍のことは、
皆様ご承知の通りであります。
今日はこの怪事件について、論理的な点から、 ご意見を頂きます。


アーサー・ヘイステイングス先生:

先生は、アガサ・クリステイ一族の方で、
本日は、エルキュールポワロ先生が、やはり急用な ため、
ご友人であるヘイステイングス先生にお越し 頂きました。
この怪事件について、大所高所から ご意見を頂きたいと存じます。



■ 司会者:それでは、ブラウン先生、 宗教弾圧という面から
この怪事件のご意見は如何でしょうか。

■ ブラウン神父:
日本に、キリシタン弾圧、立川流弾圧、一向宗弾圧、
比叡山焼き打ちなど、宗教弾圧がありました。
江戸幕府が、オランダだけに国を開いたので、スペイン、
イギリスが他の藩と手を結べなくなりました。
日本が外国に分割されなかったので、
江戸幕府の政策は良かったです。
だけど、キリシタンの犠牲は行き過ぎです。


立川流はタントラ密教で、オウム真理教を思い出します。
日本の社会には、有害と思います。
一向宗などは、信長が権力を欲しかったからです。
だけど、ワトソン先生、この事件は変ですね。

■ ワトソン博士:
この事件は、変です。
永久の変の罪人は、仁寛と、
千手丸という童子の二人だけです。
仁寛は冤罪ではないでしょうか。
5か月で長岡の城山で自殺したというのも、
変です。

ほかにも、5か月という短期間で日本中を
風靡する宗教を、立川の陰陽師に、
伝えたというのも変です。
また、その後立川流を継承した文観上人が、
後醍醐天皇に重用されたのも、何か変です。
変なことが多い事件です。
怪事件です。
ところで、ヘイステイングス先生、立川流真言は
どうですか。


■ ヘイステイングス先生:
フランス革命は自由、平等、博愛です。
自由の原点は、人間の性善説です。
そうでないと、人間すべて悪になって、
独裁者一人がになります。

性善説なら、人間の自然な行為はになります。
空海のお経は間違ってないです。
でも、行き過ぎで、社会に有害であれば、 規制が必要です。
自由と規制、両方共、行き過ぎが問題です。


■ ブラウン神父:
キリスト教は2元論で、性悪説で始まりますが、性善説でもいいです。
仏教は多元論で、問題ないです。
ですから、宗教の自由は、正しいです。
だけど、立川流の儀式が本当なら、問題ですね。

■ ワトソン博士:
弾圧した側の資料しかないので、 あの伝説の儀式は でしょう。
冤罪を糊塗するために造られた陰謀だとすると、
仁寛は、本当は気の毒ですね。 裁判のやり直しが必要でしょう。


■ ヘイステイングス先生:
そうですね。ブラウン先生、
やはり、ホームズ先生と、わがポワロと
ご一緒に、伊豆に行って、この怪事件を
再調査しては如何でしょうか。

■ ブラウン先生:
賛成ですね。どこか、静かで良いホテル
ありますか。


ワトソン先生、ホームズ先生に
よろしく言って下さい。

■ ワトソン先生:
伊豆の国には、日本の国民栄誉賞の長島選手
愛用した温泉もあるそうですよ。
そうそう、むかし仁寛が自殺した城山で、
長島選手がトレーニングしたそうですよ。
ポワロ先生にもよろしく。

■ ヘイステイングス先生:
結構です。私も同行します。


■ 司会者:
空想シンポジウムは、意外なことになりました。
再調査の段取りの相談が始まっているようですが
その際には、改めて、空想シンポジウムを
開催致しますので、ご期待下さい。
とりあえず、amazonで、関係の書籍を
入手され、ご研究下さい。


(ブラウン神父の関係)
amazon チェスタトン
amazon ブラウン神父
amazon 仁寛
amazon タントラ密教

(ワトソン博士の関係)
amazon コナンドイル
amazon シャーロックホームズ
amazon 立川流真言

(ヘイステイングス先生の関係)
amazon アガサクリステイ
amazon エルキュールポワロ
amazon 理趣品
amazon 空海


第4部 伊豆古墳観光コース 

当時の伊豆の国の国府は、三島にあり、
三島大社は伊豆の国一宮でも あります。
それ以前の国府は、長岡に近い田京と、韮山に
置かれていた時代もあります。

伊豆の国は、駿河の国に編入された時代もありますが、
伊豆の国の重要性から、三島に長く国府がありました。



    
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